眼鏡もコンタクトレンズも必要がなくなると人気のレーシックですが、希望をすれば誰でも受けられるというわけではありません。
目の状態などによっては残念ながら手術適応外という場合もあるため、レーシック手術ができるかどうかの適応検査が必ず行われます。
この適応検査とはどのようなものなのか、検査の流れや注意点などをみていきましょう。
目次
レーシックの適応検査とは?
レーシックは短時間で簡単に行えるとはいえ手術には変わりありません。
そのためレーシックを行う前には必ず目の状態や体の状態などを確認し手術を行えるかどうかを調べます。
この検査のことを適応検査といい、次のようなレーシックが受けられない条件に該当していないかを確認していきます。
・20歳未満(クリニックによっては18歳未満の場合もある)
・角膜の厚さが薄い
・レーシックで対応できないような強い近視や乱視
・眼の病気(重度のドライアイや円錐角膜・白内障など)
・妊娠中や授乳中
・持病がある(糖尿病・膠原病など)
上記の他にも眼の状態や全身状態によって医師がレーシック適応外と判断する場合があります。
レーシックの適応検査の流れ
レーシックの適応検査はどのような内容・流れで行われていくのか気になる人も多いと思います。
クリニックによって内容や流れは多少異なることもありますが、適応検査では以下のような検査が行われます。
屈折度数検査
オートレフラクトメーターと呼ばれる機械で、近視・遠視・乱視などの度数が測定できます。屈折度数と同時に角膜のカーブなどの角膜曲率も測定できます。
視力検査
視力表を使って現在の視力を調べていきます。
角膜形状解析検査
トポグラフィーと呼ばれる機械で、角膜の形や屈折力をコンピューターで解析しカラーマップとして表します。
乱視の強さや特徴などがわかり、円錐角膜の有無を調べることもできます。
角膜内皮細胞検査
角膜の一番内側にある角膜内皮細胞の数や角膜の厚みを測定します。
角膜内皮細胞は角膜の透明性を保つために重要な役割をしており、角膜内皮細胞の数が少ないと角膜は白く濁り透明性を失います。
濁った角膜は視力にも影響を及ぼしてしまうため、角膜内数細胞の数がしっかりとあるかどうかを確認します。
眼圧検査
ノンコンタクトトノメーターと呼ばれる機械で、眼に空気を当てた時の眼球の凹み具合から眼の硬さ「眼圧」を測定します。
眼圧が高いと緑内障の疑いがあります。
角膜厚検査
角膜に超音波のプローブを当て、超音波がはね返ってくる時間から角膜の厚さを測定します。検査時は点眼麻酔をしてから行うため、痛みなどは全くありません。
眼底検査
網膜や視神経などに異常があると、レーシックを行っても視力がでないことがあるので、視力に影響するような病気などがないかどうか眼底の状態を確認します。
散瞳薬を点眼し瞳孔を広げた状態で行うため、瞳孔が元の大きさに戻るまでしばらくは少しぼやけて見えにくくなります。
クリニックによっては無散瞳で検査を行う場合もあります。
レーシックの適応検査にかかる時間
レーシックの適応検査はクリニックごとの検査内容などによっても異なりますが、約2時間~3時間という場合が多いようです。
検査当日の混み具合などでも変わるため、2時間もかからずに終わったという場合もあるようですが、どの検査もとても重要な検査ばかりなので、適応検査にかかる時間は長いと思っていた方がよいでしょう。
レーシックの適応検査に必要な持ち物
レーシックの適応検査を受ける際には、保険証や免許証などの身分証明書が必要になります。また普段眼鏡を使用している場合はその眼鏡の持参も必要になります。
これらの適応検査時の持ち物については、クリニックごとに異なるため事前に持ち物について確認しておきましょう。
レーシック適応検査の注意点
レーシックの適応検査を受ける際にはいくつか注意点があります。
適応検査予約時に説明を受けると思いますが、大事なことなのでメモを取るなどして忘れないようにしておきましょう。
適応検査の注意点としては次のようなことがあげられます。
コンタクトレンズを中止する
コンタクトレンズは角膜の上に乗せて使用するものなので、長期間使い続けることでコンタクトレンズのカーブの形に合わせて角膜が変形してしまうことがあります。
時間の経過とともに自然と元に戻るため問題はありませんが、より正確な眼の度数やカーブを測定するために、適性検査の前にコンタクトレンズを中止して角膜の形を本来の形に戻しておく必要があります。
硬いハードコンタクトレンズの方が角膜への影響も大きいため、ハードコンタクトレンズ使用の人は、ソフトコンタクトレンズ使用の人よりもより長い中止期間が必要となります。ハードは2週間以上・ソフトは3日間以上の装用中止が必要という場合が多いようです。
コンタクトレンズ中止期間はクリニックやコンタクトレンズの種類によっても異なるため、事前に確認しておいたほうがよいでしょう。
アイメイクは控えめにしておく
女性ならば毎日メイクをしていると思います。
適応検査の時もメイクはしていても大丈夫なのですが、屈折度数検査や眼圧検査などでは邪魔にならないように少しまぶたを持上げたりすることがあります。
また検査のために点眼麻酔を使用することもあるため、アイメイクをしっかりとしていると、検査の邪魔になってしまったり、検査が終わる頃にはせっかくのアイメイクがボロボロになってしまっているということもあります。
そうならないためにも適応検査を受ける時はアイメイクは控えめにしておいたほうがよいでしょう。
車の運転に気をつける
網膜や視神経の状態をよく観察するために、眼底検査では散瞳薬を点眼し瞳孔を広げてから検査を行います。
散瞳薬の効果は5~6時間続くため、瞳孔の大きさが元の大きさに戻るまでしばらくはぼやけて見えにくい状態となります。
そのため見え方が元に戻るまでは車の運転はなるべく控え、十分に注意する必要があります。
クリニックによっては無散瞳で眼底検査を行うところもあるため、車の運転に支障がないか事前に確認しておいたほうがよいでしょう。