ICLはレーシックに続く視力回復手術として注目されています。
レーシックでは対応できなかった度数でもICLでは対応できるようになり、レーシックを諦めた人でもICLを受けることで視力を回復することがができるようになりました。
ICLについてよく知ってもらうために、ICLとはどのような手術なのか、よくある質問10選とともにご紹介します。
目次
レーシックだけじゃない!ICLによる視力回復手術とは?
レーシックは角膜を削り屈折力を変えることで視力を回復させますが、角膜を削るためドライアイや夜間に光がにじんで見えるハロー・グレアなどの合併症が起こる可能性があり、フラップを作るためフラップトラブルが起こる可能性もあります。
一方ICLは角膜を削らず目の中に人工レンズを埋め込み視力を回復させます。
わかりやすくいえば目の中にコンタクトレンズを入れているような状態です。
ICLは人工レンズの度数バリエーションも豊富なので、レーシック適応外となっていた強度近視の人や、角膜が薄くてレーシック適応外となっていた人も手術を受けることができます。
またレーシックは角膜の知覚神経を切断することがドライアイの原因となりますが、ICLではフラップを作らないためドライアイの原因にはなりません。
角膜は一度削ってしまうと元には戻りませんが、ICLは目の中のレンズを取り出すこともできるため、万が一の場合は元に戻すことも可能となります。
ICLの質問1. どんな素材でできていますか?
レンズはコラマーと呼ばれる特殊な素材でできており、無色透明でソフトコンタクトレンズのように柔らかく紫外線をカットする効果もあります。
生体適合性も高い安全な素材なので半永久的に使用することができ、コンタクトレンズのようなお手入れももちろん不要です。
ICLの質問2. 年齢制限はありますか?
ICLは21歳~45歳ぐらいまでが適応としているクリニックが多いようです。
40歳を過ぎると誰でも必ず老眼が始まりますが、老眼の症状を自覚し始めるのは45歳を過ぎた頃からといわれています。
ICLで遠くをはっきり見えるようにしてしまうと、老眼があると近くが見えにくくなってしまうため老眼鏡が必要となってきます。
老眼鏡をかけるのに抵抗があるという人は、遠くの視力を少し弱めに合わせることで近くは見えやすくなります。
そのような見え方でも大丈夫であれば年齢は50歳ぐらいでもICLが適応となることもあります。
求める見え方や満足度などは個人差が大きいので、医師とよく相談し決めていきましょう。
ICLの質問3. 手術は痛くないですか?
痛みの感じ方には個人差がありますが、基本的には痛みは感じません。
手術では目薬タイプの点眼麻酔を使用するため注射のように針をさす必要はなく、麻酔自体も痛みは感じません。
ただ瞬きなどで目が閉じないように器具で目を開けて手術をおこなうため、圧迫されているように感じることはあります。
ICLの質問4. 手術中は手術の様子が見えるのですか?
手術は顕微鏡下で行いますが、手術中は顕微鏡の光がまぶしいためよく見えない状態になります。
また目のすぐ近くで手術を行うため、まぶしい中で影がぼんやり動いているとう程度の見え方となります。
医者の手元などがはっきりと見える訳ではないので安心してください。
ICLの質問5. 視力はどのくらいで安定しますか?
手術直後は炎症などの関係で少しぼんやりとした感じがありますが、それでも視力が改善されたのを実感できると思います。
視力の安定には個人差がありますが、手術翌日~1週間程度で見え方が落ちついてくる場合がほとんどです。
ただ、手術の際の切開創が自然に治癒するまでは1カ月ほどかかるとされており、その間は点眼などが必要となることもあります。
視力は1週間程度で落ちつきますが、目の状態が完全に落ちつくまでには最低でも1カ月はかかると思っていて下さい。
ICLの質問6. 異物感などはありますか?
コンタクトレンズは角膜の上に乗せるのでゴロゴロした異物感などを感じることがありますが、ICLは目の中にレンズを入れるので異物感などは感じません。
ただドライアイなど目の乾きなどが原因でゴロつきを感じることはあるかもしれません。
ICLの質問7. 目の中でレンズがズレたり割れたりすることはありませんか?
手術では虹彩と水晶体の間にレンズを挿入します。
虹彩の裏側に固定するため衝撃にも強くズレたりすることはほとんどありません。
またソフトコンタクトレンズのような柔らかい素材なので目の中で割れることもありません。
ICLの質問8. 合併症などはありますか?
夜間に光がにじんで見えるハロー・グレアの症状やドライアイが起こる可能性がありますが、角膜を切らないためレーシックよりもその発生頻度は低いといわれています。
またごくまれにレンズと水晶体の干渉が原因で白内障を誘発することがあります。
この場合はレンズを交換したり、白内障の治療を行うことで対処していきます。
ICLの質問9. 手術後にカラーコンタクトを入れても大丈夫ですか?
ICLは角膜を削らず目の中にレンズを挿入するため、角膜の形を変化させません。
カラーコンタクトなどのソフトコンタクトレンズは目が乾きやすいというデメリットがありますが、ICLはドライアイにもなりにくいため手術後でも普通にカラーコンタクトを使用することができます。
ICLの質問10.保険は使えますか?
ICLは健康保険適応外になるため自由診療となりますが、任意で加入している民間保険によっては手術給付金の対象となる場合もあります。
加入している保険の内容を調べ、「有水晶体眼内レンズ挿入術」が給付の対象となっているか確認しておきましょう。