レーシックで視力が回復したけれど、その後再手術が必要になったという体験談は実際に耳にします。
万が一再手術になった場合、その原因は何なのでしょうか?
また再手術の際のリスクも含めたレーシック再手術についてのよくある疑問を5つご紹介します。
目次
レーシックの再手術についての疑問5選
レーシックは日帰りで簡単にできるとはいえ手術になります。そのため手術後に思っていたような見え方にはならなかったということが起こってしまう可能性もゼロではないのです。
実際にレーシック手術後に何らかの問題が起こり再手術を行う場合もあるのです。
手術前には医師から手術の注意点などもしっかりと説明があり再手術についての説明もあると思います。手術前によくある再手術についての疑問を5つご紹介します。
疑問1:レーシックの再手術を受ける時のリスクは?
レーシック再手術になってしまった場合のリスクについてですが、再手術特有のリスクというものはありません。
しかし一度レーシック手術を受けているので、再手術を受ける際には角膜の厚みはとても重要になります。角膜を削るレーシックは、角膜にある程度の厚みが残っているということが手術適応の絶対条件となります。
レーシックですでに角膜を削っているため残っている角膜が薄くなってしまっていることもあるのですが、角膜が薄く再度削れるほどの角膜がなければ再手術ができないということもあるのです。
また、もう一度レーシックを行うことになるため、感染症などの手術のリスクを再度負うことになるということも覚えておかなければいけません。
疑問2:再手術を受けないといけなくなる原因とは?
レーシック手術を受けた人が全て再手術になるわけではもちろんありません。
しかし手術後の経過をみて再手術をしたほうが今よりも良くなると医師が判断した時は、再手術をすすめられることがあります。
では再手術を受けないといけなくなる原因としてはどのようなことが考えられるのか、再手術の原因について説明していきます。
過矯正・低矯正のとき
矯正を強くしすぎてしまうことを「過矯正」、逆に矯正が弱過ぎることを「低矯正」といいますが、これらの過矯正や低矯正はレーシック再手術の原因の一つとなります。
眼鏡やコンタクトレンズのわずらわしさから解放されるためにレーシックを受けたけれど、思ったよりも遠くがはっきり見えず、結局眼鏡やコンタクトレンズが必要になるようではレーシックを受けた意味がありません。
過矯正の場合は遠くがはっきり見えるため再手術の必要がなぜあるのかと思う人もいるかもしれませんが、私達の日常生活では例えば2.0のような視力は必要ありません。
日常生活では歩いたり運転したり遠くを見ることももちろんありますが、字を書いたりパソコンや携帯を見る・料理を作る・食事などは中距離・近距離を見る作業になります。
遠くの視力が良いということは遠くにしっかりとピントが合っている状態のため、近くを見る時は無意識に調節力を使いピントを合わせて見ているのです。
そのため長時間近くを見続けると眼精疲労の原因となり、ひどくなると頭痛や吐き気などの症状が現れることもあります。
また若い頃は調節力が強いのですが、年齢を重ね40代になると調節力が弱くなる老眼が始まります。遠くが良く見えれば見えるほど近くが見えにくくなるため、将来老眼になることも考えると過矯正は疲れやすく不便な目といえるのです。
低矯正の場合は眼鏡やコンタクトレンズで何とかなりますが、過矯正の場合はどうしようもできないので注意が必要なのです。
合併症や後遺症を発症したとき
レーシックは手術なのでリスクが全くなく100%絶対に安全とは言い切れません。
レーシックが人気となったことで顧客の取りあいが起こり、その結果感染症による重大な事件が起こったのも記憶に新しいのではないでしょうか。同時に合併症や後遺症に悩まされる「レーシック難民」という言葉も注目され始めました。
レーシックの合併症や後遺症として知られている「近視戻り」「ハローグレア」「ドライアイ」「角膜混濁」「感染症」「不正乱視」などについて説明していきます。
近視戻り
手術直後はよく見えていたけれど、しばらくするとどんどん視力が落ちていき軽い近視の状態になってしまったということがあります。これを「近視戻り」といい、レーシック再手術となる原因で一番多いといえます。
手術で削られて薄くなった角膜が眼圧によって押され角膜自体のカーブが強くなった・術後の生活習慣によって近視が進行したなどの原因が考えられます。
ハローグレア
手術後、夜間など暗い時に街頭や車のヘッドライトの光がにじんだりぼやけて見えたり、光がまぶしく感じることがあります。前者をハロー、後者をグレアといい、レーシック手術後に起こりやすく、レーシックの代表的な合併症としても有名です。
多くの人は時間が経つにつれて症状が気にならなくなってきますが、再手術によって症状が改善される場合もあります。
不正乱視
レーシックではフラップと呼ばれるフタを作りますが、このフラップが綺麗に作れなかったり、元に戻した時にシワやズレが起こってしまうと、角膜表面に凹凸ができ不正乱視が出てしまうことがあります。
また照射ズレにより不正乱視が現れることもあります。これらは再手術で改善する場合があります。
疑問3:レーシックの再手術をするにあたって必要な条件とは?
レーシックで思ったような見え方にならなかったからすぐに再手術を受ければいいという訳ではありません。
レーシックの再手術は安易に行うものではなく、慎重に見極めて行う必要があります。
再手術を受けるにあたって必要な条件について詳しくみていきましょう。
角膜がまだ十分削れるだけ残っている
レーシックは角膜を削って屈折力を変化させ視力を回復させる手術です。
レーシックを以前受けていても角膜の厚みが十分残っている人は、再手術で再度角膜を削り屈折力を調整することができますが、角膜の厚みが薄く再手術で削れるほど余っていない場合は再手術を受けることができません。
角膜の厚みがもともと薄い人もいるため、レーシック手術前に角膜厚検査などを行いレーシックを受けることができる目なのかは必ず確認します。
再手術を受けたくても角膜の厚みによっては再手術ができない場合もあるということを覚えておきましょう。
1回目の手術から十分時間がたっている
レーシックの手術後は角膜の状態などが安定するまで3ヶ月ほどかかります。この間は視力なども微妙に変化するため様子を見る期間だと思って下さい。
また今までと全く違う見え方になるため、見え方に慣れるまでに時間もかかります。遠くが見えすぎて目が疲れる・違和感があるなどの症状が起こる場合もありますが、時間の経過と共に見え方にも慣れてきます。
上記のような理由から1回目の手術後すぐに再手術を行うのは避け、手術後十分時間も経ち目の状態が落ちついてから再手術を行うようにしましょう。
疑問4:レーシックの再手術を受けるときの費用はどのくらい?
レーシックの再手術が必要となってしまった時、気になるのがその費用です。
レーシックは保険が適用にならないため、手術費用などは各医療機関が独自に設定しています。同じ手術でも費用が医療機関によって異なるのはそのためで、再手術となってしまった場合の費用もぞれぞれ異なります。
レーシック手術後期間を設けて再手術無料としているところもあれば、期間は設けずに片目につき1回ずつ無料としているところもあります。逆に再手術でもしっかりと費用がかかるところもあります。
再手術になってしまう可能性はゼロとはいえないので、手術前にしっかりと再手術についての費用も理解しておく必要があります。
手術後に後悔しないためにも、再手術など手術後のアフターフォローについてもしっかりと把握しておきましょう。
疑問5:再手術が必要になる可能性はどれくらい?
レーシック手術後、近視の戻りなど何らかの原因で再手術が必要になる割合は全体の2~10%という報告がありますが、その中でも近視や乱視の度数が強い人・遠視の人・40歳以降の人は再手術になる割合が高いといわれています。
再手術の割合が2~10%と幅広くなってしまっていますがこれは使用しているレーザーの種類や、対象としている症例数・患者の眼の状態など医療機関ごとに違うためで、論文などでみると実際に再手術の割合は2~3%というのが多いようです。
上記のように安全性の高いレーシックですが再手術になる可能性は100%絶対にないとはいえないということを覚えておきましょう。
レーシックの再手術は慎重に考えよう
レーシック手術後に視力が落ちてきたらまた再手術を受ければいいと簡単に思っている人もいるかも知れません。
再手術を無料でおこなっている医療機関もあるので、費用がかからないため再手術に対して気軽に考えてしまうのかもしれませんが、再手術は誰でも受けられるという訳でははありません。
またレーシック手術をもう一度おこなうことになるので、当然ながら感染症など手術のリスクも再度背負うことになります。
近視の戻りなどは再手術ではなく眼鏡やコンタクトレンズを使用することで解決できるため、再手術についてはそのリスクなども理解した上で医師と相談して慎重に決めるようにしましょう。